栽培、海外ラン園視察などに関する月々の出来事を掲載します。内容は随時校正することがあるため毎回の更新を願います。 ARCHIVE

2019年 1月 

1月

Vanda brunnea

 こちらもサンシャインラン展最終日に中国四川ラン園から入手したVandaです。Vanda brunneaはインド、ミャンマー、タイ、雲南省の標高800m - 1550mに生息する中温タイプで、入手株は雲南省です。通称淡褐色(light brown)バンダと呼ばれているそうです。化粧品にあるような匂いがします。orchidspecies.comの画像では淡褐色ですが、入手した株の花色はやや緑かかった色合いで、雲南の地域色と思われます。国内マーケットをネット検索すると実生があるようですが、生息地域が知られた野生(栽培)株は見当たりませんでした。下写真は現在浜松にて開花中のVanda brunneaです。

Vanda brunnea

Schoenorchis buddleiflora

 Schoenorchis juncifoliaがマレーシアIpoのラン園のカタログリストにあり、昨年9月これを仕入れたところ20㎝未満のかなり小さな株で期待外れでしたが先月そのなかの1株に花芽がでて今月開花しました。Schoen. juncifoliaの花サイズは通常1㎝ - 1.5cmに対し、今回入手した株の花は多輪花ですが1輪は5mmほどです。2017年7月の歳月記でCleisostoma williamsoniiとしてキャメロンハイランドで入手した株がSchoen. juncifoliaのミスラベルであったことを取り上げましたが、その際にSchoen. juncifoliaの花を実際見ており今回の株もまたミスラベルと分かり、調べたところとSchoen. buddleifloraでした。Schoenorchis属のミスラベルはこれで2回目です。結論とすれば売る方も買う方もSchoenorchis属についてよく分かっていないと言うことでしょうか。

 しかしSchoen. buddleifloraは小さな花ですがよく見ると、色合いも良くなかなか可愛い形をしており、ボルネオ島および西スマトラ島の標高500m - 2,000mに生息とのこと、そこで国内マーケットを調べてみたところSchoen. juncifoliaは多数の売買がみられるものの、本種は5年ほど前のあるサイトに珍品と称し8,000円程の価格が1件のみあり他に見当たりません。現在保水力の高いソフトFernに取り付け、中温室にて栽培しており10株ほどある株は全て良好な状態となっています。ちなみに、今月のサンシャインラン展に開花前であったため入手時の種名Schoen. juncifolia名で1,500円で出品しましたが見向きもされませんでした。Schoen. buddleiflora名で花が咲いていれば買われる方がいたかも知れません。正しい名で再度東京ドームに出品予定です。ミニタイプの花を好まれる趣味家には格好な種と思います。こちらも下写真のピンク色だけでなく青色のカラーフォームもあるようです。さて海外の本種の価格を見るとAmazonで38ドル、AndyOrchidsで36ドルが見られ、Schoen. juncifoliaより小型にも拘らず高価なようです。種名が確認できたので500円アップの2,000円で販売です。

Schoen. buddleiflora

種名不詳のBulbophyllum

 2016年キャメランハイランドにて入手したバルボフィラムが開花し、そのラン園の2014年掲載のFacebookにあった写真と同じ花で間違いないことが分かりました。形状からはBulb. arfakianumBulb. fraudulentumなどのHyalosema節の種の中のアルバフォームでないかと思っていましたが、本種のドーサルセパルの基部に同節に共通して見られる”つ”の字のような湾曲がなく、ストレートに前方に伸びている点で別節とも考えられます。種名は調査中です。下写真左は本種の全体画像、上段中央は花の側面、また右は正面からの画像です。ラテラルセパル内側には写真下段中央に見られる細毛があり、ペタルは細く先端がほぼ90°外側に曲がっています。

 2年目の開花で支持材は杉皮板、中温室での栽培です。根は多数が良く伸びて活着しており杉皮とは相性が良いようです。バルブは12個あり、秋以降3つの新芽がバルブ元から出ていることから本種に適した栽培環境は大筋把握できたため春に3株に分けた後、販売する予定です。


サンシャインラン展での中国ラン園の売残り株

 サンシャインラン展にて本サイトの向かいには中国四川からのラン園が出店していました。最終日の14日に売れ残り株が若干あり、見たところほとんどが栽培経験のない種で、添付された花写真を見て面白そうであったので選ぶのも面倒と全て購入しました。40-50株程と思います。それらのほとんどが雲南省からの株とのことで、浜松に持ち帰ってから調べたところほぼ全てが中温から低温タイプでした。中には2,500mから3,000m生息のコールドタイプも僅かながら含まれ、売れ残ったのは花に魅力が無いからではなく、その多くが低温室が無ければ栽培ができない種であるためと分かりました。下記がその一部です。低温タイプは、ここ浜松ではDen. vexillariousDracula属などと同居です。

1. Den. loddigesii dark pink
2. Den. willsonii pink (一般フォームは白)
3. Bulbophyllum pianmoense (セパル・ペタルとも黄色)
4. Vanda himalaica
5. Vanda alpina f. alba
6. Cym. finlaysonianum album
7. Cym. erythraeum f. flavum
8. Epigeneium gaoligongense (新種?)
9.Pholidota yunnanensis
10. Holcoglossum kimballianum
11. Scheoenorchis gemmata
12. Stereorchis dalatensis
13. Arisaema lihengianum (?)
14. Pennilabium yunnanense
15. Liparis bistriata
16. Renanthera citrina
17. Aerides rosea
18. Panisea panchaseensis (新種?)
19. Den. minutiflorum (2009)
20. Aerides odorata f. alba (Yunnan)
21. Den hekouense (Yunnan)
など。

マーケットでは稀な現在開花中のデンドロビウムとバルボフィラム

 下写真の上段左は前回取り上げたソロモン諸島生息種で昨年12月に入荷した種名不詳のデンドロビウムです。上段中央と右も同じく種名不詳種のそれぞれ正面および側面からの花画像です。Den. cymbicallumに似た花形状ですがリップの外周に短い細毛が見られます。9月のマレーシアPutrajaya Floria 2018で見つけたものです。下段左は全体形状としては始めて見るCirrhopetalum節のバルボフィラムです。一方、中央および右はDen. leporinumのアルバフォームと、比較参考用としての一般フォームの画像で、昨年取り上げたアルバ株とは異なる2株目のアルバとなります。こちらもPutrajaya Floria 2018での入手です。

Den. sp Solomon 諸島 Den. sp
Bulb. sp Den. leoprinum (left: alba, right: common form)

AJOSサンシャインラン展から東京ドームラン展へ

 14日サンシャインラン展が無事終了しました。多くの方々にご来店頂き有難うございました。1か月後には東京ドームでのラン展が始まります。このため今月末にはフィリピンに出かける予定で、またマレーシアからはラン園の2代目に懸案のランを成田まで持ってきてもらうことになっており、休む間もありません。どのようなランが出品できるか、順次本サイトにて報告してゆく予定です。

AJOSサンシャインラン展出荷準備を完了

 58回サンシャインラン展には本サイトにとって、これまでに無い多品種の原種を出品することになりました。先週の出品予定種リストのほぼ全てを展示するため、2ブースと言えども品種当たり平均2-3株がスペース上の上限で、今回はブースの両サイドが通路側であることから、展示棚の側面に設けるラン取付用の格子には通路側と内側の両面にランを吊り下げる予定です。それでも初日は吊るすスペースが不足するのではと思っています。

 今回の展示では特に胡蝶蘭原種について、これまで栽培してきた株は一体何であったのかと考えさせられる程、驚くほどに成長をした姿を多数展示し、また販売する予定で、胡蝶蘭原種を愛好あるいは栽培をこれから始める方々にとっては必見と思います。また炭化コルクを中心とした株の取り付け方法とその成長の様子なども栽培の参考になるのではと思います。原種栽培については会場にてお気軽にご相談ください。本サイトとしては2月の東京ドームラン展にも出店を予定していますが、1ブーススペースのため今回のサンシャインラン展と同等あるいは以上の展示は無理であることから百聞は一見に如かず、原種の持つ力や、その姿をこの機会に是非ご覧頂ければと思います。

AJOSサンシャインラン展出荷準備を開始

 6日はバルボフィラム、7日はデンドロビウムとVanda類、8日は胡蝶蘭の順で梱包が始まりました。本日6日はバルボフィラム出品予定種リストのほぼ全種の梱包が完了しました。その中でリストに無い下記の品種を追加しました。
  1. bataanense
  2. chloranthum LL
  3. taeniophyllum LL
  4. pardalotum gold color (セパル・ペタルに棒状斑点のほとんど無い黄金色のカラーフォーム)
  5. sp black (crimson) ribon
  6. veldkampii
  7. fraudulentum
  8. hymenobracteum
  9. sp pink multiflower (歳月記12月新入荷Bulbophyllum4種の4番目の種)
  10. maquilingense
  11. puguahaanense

AJOSサンシャインラン展出品の実生胡蝶蘭原種

 胡蝶蘭原種の台湾等からの実生には関心が無く、通常は取り扱っていませんが、ラン展においてはPhal. bellinaPhal. violacea blue (Indigo Blueを含む)は例外的に実生を販売しています。下写真はサンシャインラン展に出品する実生となります。写真左は左側がPhal. bellina Ponkan、中央から右側がPhal. bellina albacoeruleaです。右写真は左側がPhal. violacea sumatra blue NBS、中央がPhal. gigantea Sabah NBS(マレーシアでの交配実生)、右側がPhal. bellina Ponkanです。実生はPhal. bellina PonkanはBSで2,000円、Phal. bellina albaは同じくBSで2,500円、Phal. gigantea NBSは2,000円、Phal. violacea blueは1,500円となります。このように実生は量産園芸種のため、野生栽培種と比べて同種であっても1/2 - 1/3の価格としています。

Phal. bellina, ponkan, alba, coerulea Phal. violacea blue, gigantea, ponkan

AJOSサンシャインラン展2019出品予定種リスト

 今月10日からのサンシャインラン展向け出品リストを下記に記載しました。ラン展での展示スペースは限られているためそれぞれの品種は3-4株の少量多品種となります。原則プレオーダーは胡蝶蘭原種のみですが、その他については品種によりプレオーダーが可能な種もありますので、ご希望種がありましたら6日までにお問い合わせ下さい。

 胡蝶蘭出品予定リスト

 バルボフィラム出品予定リスト

 デンドロビウム出品予定リスト

 その他出品予定リスト
 

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