12月
栽培、海外ラン園視察などに関する月々の出来事を掲載します。内容は随時校正することがあるため毎回の更新を願います。
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12月
Dendrobium aurantiflammeum
今年は記録的暑さが長く続き秋期が無いままに冬を迎えています。浜松では先週半ばから温室暖房機が稼働し始めました。当サイトの高温室内の温度は現在最低15℃、最高28℃(晴天日)で、平均温度はそれぞれ夜間が18℃、昼間は26℃となっています。この1日当たりの温度差は高温タイプの多くのランにとっては最適な環境で、新芽の伸長が盛んです。
一方で、今年の夏季の高温室内では夜間平均温度が30℃を超える日が2か月以上続き、この状況に最も影響を受けたランの一つが
Den. aurantiflammeum
でした。症状としては5月の歳月記(本種の植替え)に掲載した画像に見られる多数の葉や8月には新芽も紹介しましたが、8月中旬頃から落葉が増え始め、9月中旬にはそれまでの葉数の7割近くを失いました。温度によるこれほどの障害は初めての経験です。そのため40株以上ある本種を全て5月以前の場所(3℃程低い)に移し、更に散水と通風による気化熱を利用した管理を先月の気温が下がる頃まで続けました。その結果それまでの反動かのように、この2か月半の間で驚くほど多数の新芽が発生し伸長を続けています。下画像はそうした新芽の様態を8株撮影(3日)したものです。これら新芽が薄茶色の太い紡錘形状の膨らみを茎(疑似バルブ)基に持つFS株になるまでには1-2年を要しますが、気長に待つしかありません。
Dendrfobium aurantiflammeum
Borneo (Photos on December 3, 2023)
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