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6月
個体差3種
下画像は現在開花中の3種(Den. balzerianum、Bulb. deareiおよびDen. reypimentelii)で、上下の画像はそれぞれの個体差を示すものです。ネット検索によると、下段はそれぞれ稀なフォーム(色/パターン)であることが分かります。一方、Bulb. deareiの上段の薄黄系も個性を感じます。
現在開花中の12種
現在開花中の12種を撮影しました。撮影日は8-12日となります。Bulb. biflorum albaのページは現在準備中です。Bulb. facetumの一般種の左右ペタルスパンの最大サイズは7㎝とされますが、画像の株については10㎝超えの継承性が確認されたため、当サイトではこのサイズとなる種にはgiantとの付帯名を付けることにしました。Den. balzerianumのリップベース色は通常セパル・ペタルと同色ですが、画像種は黄味のある色合いとなっています。
現在開花中の6種
現在(6日)開花中の6種を撮影しました。それぞれの詳細画像は画像下の青色種名のクリックで見られます。
Bulbophyllum hampeliae
本種は2016年に発表されたフィリピンMindanao島標高1,200mに生息するバルボフィラムで、新種故かその情報は少なく入手も極めて難しいようです。当サイトは本種を2018年に入手し、凡そ4年経ったところで初開花を得ることができました。その後、栽培方法も分かり現在は年2-3度の開花が見られます。今回改めて撮影したのは葉付きバルブ数20個ほどの株で、1本の花茎に4輪が同時開花したためです。これまでネットに公開されている本種の開花数は2輪/花茎で、おそらく本種の同時開花4輪/花茎は世界初の画像と思われます。画像下の青色種名のクリックで本種の詳細を見ることが出来ます。
Dendrochilum woodianum / Coelogyne woodiana
フィリピン固有種で標高1,000m - 2,600mに生息とされるDendrochilum woodianumの植替えを行いました。本種はセパル・ペタルが濃赤色の単色フォームと、先端部が黄緑色のbicolorフォームがあり、当サイトの栽培種は下画像に見られるように後者となります。本種の記録は1908年(Ames)と古く、フィリピンMindoro島とされていますが、当サイトが本種を2018年にフィリピン現地のラン園にて入手した時の種名はDendrochilum. spで、Luzon島北部からの株とのことでした。その中には開花中の株もあり現地にてそれらを撮影し、2018年7月の当歳月記に掲載しました。
本種に関し不可思議なことは、本種名でネット検索するとOrchidRootsではリンク先のページに花画像が無く、そのページには、本種は直近の2021年(M.WChase,etc.)発表で、似た種名のCoelogyne woodianaとはシノニムとの記載があります。生息地もMindoro島とされています。さらにそのCoelogyne woodianaのページに掲載された花画像は、J. Cootes著Philippine Native Orchid Species 2011でのセパル・ペタルが赤単色のDendrochilum woodianumに酷似しています。デンドロキラムとセロジネという属名が異なる2種が、異名同種であることは1世紀も前のことであれば兎も角、僅か4年前になぜこうした名称の登録が可能であったのか、これまでデンドロキラムとされた本種がDNA鑑定をしたところ実体はセロジネ属であったのかとも憶測してしまいます。
現在Dendrochilum woodianumをネット検索すると画像は多数見られるもののマーケット情報はイギリスの1ラン園のみで、8葉程の小株で価格は£35.00(6,758円)が見られます。本種は下画像に見られるように、花は鮮やかなで印象的な色合いであるものの、極めて取り扱いの少ない種のようです。現在本種は開花期を迎えており、今回の植替えはこうした背景と共に、5年以上植替えが無かったこともあり早速、これまでの炭化コルクから30㎝x15㎝の杉板12枚に取り付けました。下画像が植替え後の様子で1株は15葉以上としています。
現在進行中の植替えおよびレイアウト
先月中旬から多数の栽培株の植替えと、レイアウト変更を始めています。4棟ある中で、現時点で1棟分の7割ほどが終了したところです。このペースですと作業は年内いっぱい掛かるかと思います。その理由と目的は、多くの株が前回の植替えから3年以上経過していること、また新たなレイアウトで30%程のスペースを確保し、新規入荷株の栽培環境を用意することにあります。下画像上段左は70株程のVandaで、これまでの主に木製バスケットからベアールートへの植替え後の様子です。植替えには1株毎にそれぞれの葉や根の洗浄を伴いますが、その汚れを海綿スポンジで落とすことは表皮を傷つけ感染症を引き起こすリスクがあり出来ません。当サイトではメラミンスポンジを使用し、1株毎の使い捨てで行っています。右画像は40株程のAeridesで、こちらも今後はベアールート栽培となります。ベアールート栽培は高湿度環境が必須となります。このため今回は自動噴霧器と床面には人工芝を敷き湿度を保つことにしました。栽培者にとっては、ベアールート株で入手できれば自身の栽培環境に合わせた新たな取付材への植付けが楽になります。
画像下段は木製バスケットのレイアウトです。左は100株越える配置風景です。これまで当サイトでは、木製バスケットは多くが目線近くの高さに吊り下げており、その結果バスケットサイズによる高低差や、一部が炭化コルクやヘゴ板等の他株の吊り下げ材の背面に位置したりして潅水の際の不均一が生じ、成長に影響を与えていました。そこでバスケットは温室内の同じ場所(低・中温タイプは別温室)にまとめて栽培をすると共に、バスケットサイズに拘わらす、面を全て同じ高さに揃えることと、その位置が目線より50㎝程下になるように吊るすこととしました。この結果それぞれのバスケットが2mほど離れていても、株の根元の状態が目視でき、それぞれにほぼ均一に潅水が行き渡るようになりました。下段右画像は、中央の木製バスケットがBulb. orthosepalum6株で、その他はCoelogyne4種(palawanensis、celebensis、multiflora、dayana)合わせて70株程が、1ブロック(2m x 2m)内に置かれています。右奥に見えるのは、左画像のグループとは異なるデンドロビウムを中心とした30株程の木製バスケットです。
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Vanda類 約70株 |
Aerides類 約40株 |
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Dendrobium類 約100株 |
Coelogyne及びBulbophyllum類 |
現在(1日)開花中の15種
現在開花中の15種を選んで撮影しました。Bulb. claptonense aureaは同時開花が8輪となりました。さらに蕾が5個開花待ちです。Bulb. maxillareでは13㎝程の花サイズが次々と、ここ1か月ほど開花を続けており華やかです。Bulb. baileyiは1昨年、7年ぶりに開花を見ましたが本種は高輝度を好むようで、そうした環境に移してから今回は4輪が同時開花しています。さらに蕾も2個見えます。Den.aurantiflammeumについてIOSPEではその花サイズを0.6インチ(1.5㎝)としています。この僅か1.5㎝が花のどの部分を指すのか分かりません。本種は自然体で花の横幅は5-7㎝、縦幅は5-9㎝です。
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