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9月
現在(3日)開花中の6種
下画像のバルボフィラム3種が栽培されている高温室内では、晴天日の日中の温度は35℃以上、一方デンドロビウム2種の中温室内では30℃前後となる中でのそれぞれの開花となっています。Den. klabatenseは42輪の同時開花で下画像は3日の撮影です。株の根元に小さな新芽が出ていたため今回は高温障害を恐れ、撮影後に全ての花を摘みました。高温室栽培のPaph. lowii var. albumは、20年近く前に米国Orchid Innから入手した実生(自家交配)株で、花サイズは左右のペタル間スパンで9-10㎝となります。
Dendrobium jiewhoei 種名とフォームについて
現在、Den. jiewhoei の開花期を迎えています。本種は近年発表(J.J.wood, etal. 2008)のデンドロビウムで、ボルネオ島標高1,000 - 1,500m程の生息種とされます。また2014年にはDen. calcariferum(Carr. 1935)とはシノニム(異名同種)とされ、IOSPEのDen. calcariferumとDen. jiewhoeiのサイトページには同じ花写真がコピーされています。不思議なことは、両種の生息域が重なっていることと、近年の情報化時代に於いて、なぜDen. calcariferumの発表から凡そ70年後にMalesian Orchid Journal Vol.3, 2009年に本種が新種名で掲載されたのか、現在、Den. calcariferumを検索するとDen. jiewhoeiと思われる多数の画像がネットに見られますが、そうした画像は2009年までそれぞれのメディアに掲載されることが無かったのか?よく分かりません。
当サイトがDen. jiewhoeiを得たのは2014年6月のマレーシアPutrajaya Floria 2014年の会場で、種名Den. jiewhoeiとしての入手でした。初花は2015年9月で、同年9月の「花と開花月」にて報告しています。その後に2回ほどマレーシア経由の入荷があり、一部を東京ドームやサンシャインラン展にて販売もしました。現在は8株程を栽培しています。本種は下画像に示すように特にペタルやリップに多様な形状(フォーム)が見られ、中温室内での栽培においてはそれぞれが時期を若干ずらして開花することから、こうした様態は標高や地域差(ボルネオ島Sabah、Sarawak またKalimantan)が関係しているのではと思います。下画像下段のフォーム2と3のペタル外縁(フォーム2は滑らかに対し、3は波状)や、リップ形状(フォーム2は方形に対し3は台形)を比べると別種の如き相違感があります。疑似バルブを含むそれぞれの違いは画像下の青色種名のクリックで見ることができます。マーケット情報は国内外共に殆ど無く、現在入手は可なり難しいデンドロビウムのようです。種名については機会を見て先行発表のDen. calcariferumに変更する予定です。
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