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10月
現在開花中の12種
Aerides magnificaは今月1日掲載の花株とは別株となります。Bulb. aeoliumの当温室での開花は、例年春(5月頃)と晩秋(11月頃)の年2回見られますが、このところの異常気象の影響で多くの栽培種は例年の開花期とずれているように感じます。Bulb. careyanumはネパール、ミャンマー、タイ、ベトナムなど生息域が広いことからOrchid Rootsサイトに見られるように花色やフォームが多様です。それらの画像の中にはサイズを示すスケールバーや定規を写した画像もあります。今回当サイトページにも定規を入れた花の拡大画像を追加することにしました。青色種名のクリック先で見られます。
Bulb. acuminatumをネット検索するとその花形状は支離滅裂な様相です。まずIOSPEでの本種ページ内にある"Another Flower?"のリンク先にはBulb. cercanthumと思われるバルボフィラムが見られます。リンクアドレスに”かも知れない”といった”?”マークが敢えて付いていることは、確証してはいないがそうではないかとのことのようです。またWikipediaにも不可解な花画像が掲載されています。さらにサイトiNaturalistではそれぞれが異なる4種類ほどの花がBulb. acuminatumの写真として掲載されています。一方、花画像の信頼性が高いOrchidRootsにも画像番号68901のような違和感のある花が見られます。
Bulb. makoyanumはIOSPEでは花サイズを縦幅1.5インチ(3.75cm)と記載しています。これはドーサルセパルからラテラルセパル先端までの長さとなりますが、このサイズを標準的なサイズと見做すと、下画像に示すような6.5cm程の長さの花サイズ(青色種名のリンク先の花には7cmが有り)は1.5倍以上となります。このため当サイトではこの長い花サイズと一般サイズの花株とを区別するため1.5倍以上の形状をもつ種にはgiganteumとの付帯名を付けています。Borneo、Palawan、Leyte生息の株のこれまでの栽培実態からは1.5倍を超える花サイズはLeyte島種のみとなっています。この株の2016年の入手記はこちらとなります。またネットではBulb. brevibrachiatumとBulb. makoyanumもそれらの形状差が曖昧で、種名が入り交じっている状態です。このような状況下において趣味家がこうしたバルボフィラムを入手希望される場合は、サプライヤーが花を視認しているかどうかを確認することが必要となります。
直近のバルボフィラム植え替え3種
Bulb. binnendijkiiは先月に開花報告をした株です。90cm長の杉板に植え替えを行いました。Bulb. glebulosumは2008年発表のフィリピン固有種で比較的新しいバルボフィラムです。しかし入手が極めて困難です。その背景は生息数に起因するものかどうかは不明ですが、8年ほど前に当サイトでは本種の発注を3回ほど行いましたが、現在30株程を栽培しているBulb. inunctumやcostatumの全てがこのミスラベルによりもたらされたものです。こうした実態から本種の購入希望者は、サプラヤーが花を視認していることを条件に発注することが必須となります。
右画像のBulb. grandiflorumはこれで1株からなる大株で52個の葉付きバルブがあり、バルブ形成前の新芽を含めると60個程になります。これまで本種は炭化コルクに杉皮を重ねた60cm長x15cm幅の板に取付けていたため、全体の3割ほどのバルブはすでに取付け材を超えて伸張していました。杉皮への植え付けであったことから株の取り外しは容易でしたが、本種は長く細い根であることから多数の根を互いに接触すること無く、ミズゴケで挟み押さえながら同じ15cm幅の取付け材に新たに植え付けるのは無理で、今回は18cm幅の杉板に5cm幅の杉板をステンレス金具で裏留めして23cm幅とし、それに同サイズの杉皮を重ねた支持材を用いることになりました。それが下画像の本種の取り付け完了後の正面と側面からの様子となります。新たな取付け材は90cm長x23cm幅x1.2cm厚となります。大株とは云え僅か1株に、取り外しから植え付けまでに2日間も要したのは初めてです。
現在(20日)開花中の3種
Bulb. penduliscapumは冬期の開花ですが早咲きとなりました。今期は花後の新芽を可能な限り多く発生させて株分けを目論むため、株に負荷がかかる花は一両日中に切リ取りとなります。Den. wulaenseは栽培難易度の高いSpatulata節で10年ぶりの開花です。本種もまたこれまで長い間温室の片隅に置かれ種名不詳種であった一つです。
現在(14日)開花中の6種
それぞれの種の詳細は画像下の青色種名のクリックで見られます。
Bulbophyllum magnumの植え替え
先週(6日)から葉付きバルブ数が7ー13個からなる10株のBulb. magnumを、90cm(長さ)x15cm(幅)x0.9cm(厚み)サイズの杉板と杉皮を重ね合わせ、その上にミズゴケ4Aタイプをやや厚めに敷いた支持材にそれぞれを植え付けました。下画像中央は今回植え替えした株の様子で12日の撮影となります。一方、右画像は昨年4月に今回と同じ構成の支持材10枚にBulb. magnumの植え替えを行った現在(14日)の様態です。この時の植え替えの詳細は2025年4月の歳月記に掲載しています。右画像からは下部から発生した新芽が成長し、かなり混み合った状態となっており、株の多くは植え付けから僅か1年半ですが、葉付きバルブ数が20個程になっている株もあり、画像に見られるように株先端部の新葉は杉板のトップにまで伸張を始めています。今回植え付けの画像中央の株も同じような成長になるものと思われます。
本種は2013年登録のフィリピン固有種で、当サイトは2014年に入手し翌年に初花を得ました。しかしその後は高温・低ー中輝度の環境で成長は見られるものの開花が無く、30株程の株を有していたことから、その一部を2020年からそれぞれ低・中・高温に、また輝度も低・中・高輝度環境に配置し本種に適した栽培条件を見つけることにしました。その結果、本種は輝度が開花に重要で、高温・高輝度下がもっとも成長が良く、開花が得られることが分かり、現在は本種全て高温・高輝度栽培下にあるPaph. sanderianumやDen. leporinum等と同じ温室での栽培とし、それ以後今日まで毎年多数の株で開花が見られます。IOSPEの記載には本種の生息域は1,200m周辺でクール・低輝度環境とされていますが、当サイトではこの環境では、6年以上成長も開花も見られなかったことから、当サイトの入手株は800m以下の低地に生息する株と思われます。2014年の本種入手時の現地サプライヤーからの情報は低地生息とのことでした。
参考(当サイトで規定する温度設定):
高温タイプ (海抜0m - 800m生息種) 夜間平均温度20℃ - 28℃
中温タイプ (標高800m - 1,500m) 夜間平均温度18℃ - 22℃
クールタイプ (標高1,500m - 2,000m) 夜間平均温度14℃ - 18℃
コールドタイプ (標高2,000m 以上) 夜間平均温度10℃ - 15℃
現在(7日)開花中の9種
それぞれの種の詳細は画像下の青色種名のクリックで見られます。
当サイトが栽培するBulb. plumatum flavaは2005年以前に当時のインドネシアSimanis OrchidからBulb.plumatum yellowとして入手しました。本種ページのトップに掲載の画像は2006年1月29日に撮影したものです。こうした背景から今日までBulb plumatumとplumatum flavaは同種(変種の関係)と見做し、また生息地はJavaとしてきました。しかし現在のBulb. plumatum flava該当種は、その種名をBulb. thiurum (Vermeulen & Byrne 2005)とされています。Bulb. plumatumとそのflava(黄色)フォーム種の違いの一つは、下画像に見られるように、いずれも長いラテラルセパルを持つもののplumatumのセパルは幅広で、左右のセパル同士はその基部から先端近くまで張り付き一体化しているのに対して、flavaフォームのセパルの基部はplumatumと同じ様態であるものの、やがて細くなり、左右のセパルは分離しているとされます。しかしplumatumにも稀に当サイトの本種ページ(2枚目)に掲載した画像に見られるように、左右のラテラルセパルは細長く互いに離れた形状もあり、さらにthiurumでのネット検索画像内には一般フォームと異なり、ラテラルセパルが幅広で左右のラテラルセパルが基部から先端近くまで密着しているものも稀に見られます。ではこれらは第3あるいは第4の別種となるのかとの疑問が生じます。一方、Bulb. plumatumとjacobsoniiは異名同種とされていますが、Bulb. jacobsonii名でのネット検索にはBulb. jacobsonii var. flavaとされる画像も有ります。こうした背景から当サイトでは今日までflavaの名称を保留してきました。plumatumとplumatum flava両種の決定的な違いは下画像に見られるペタルおよびドーダルセパル裏面の形状にあると思われます。plumatumのペタルの先端部から伸びた多数の紐状の突起と、flavaのへら状の突起の違い、またflavaのドーサルセパル裏面先端部周辺の毛状突起がplumatumには見られません。この違いもまた両種に混在するかどうかを時折調べてきましたが違いは維持されているようです。こうしたことから今回は上記の問題は含むものの、それぞれの様態から判断し当サイトのflava種の名を改めて近くBulb. thiurumに改定する予定です。
現在(1日)開花中の6種
現在開花中の6種です。Bulb. inunctumは先月末に掲載した株で、残っていた蕾が開花し10輪の同時開花となったことから再度撮影しました。
NG: New Guinea PNG: Papua New Guinea
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