7月
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Dendrobium moschatum |
5月入荷のDendrobium christyanum
Den. christyanumの8割が現在開花中です。Den. tobaenseやDen. toppiorumと同じ中温栽培のFormosae節です。花芽も無い状態の入荷株の植え付けから僅か2ヶ月で一斉に開花をしたところを見ると、栽培環境が余程気に入ったのか至って丈夫な種のようですDendrobium christyanum |
現在開花中の7月入荷株
入荷時に蕾があり植え付け後に浜松温室にて開花中の花を3点それぞれ撮影しました。順化栽培中の開花のため花色や花数は順化後と異なるかも知れませんが大方予想した通りです。左のCoel. longirachisは赤銅色からダークオレンジ色までの色変化があります。これが個体差なのか環境(栽培温度)変化によるものかは不明で、今回の入手株で調べる予定です。写真はオレンジレッド色です。中央のAppendicula malindangensisは花数は順化中のため少ないものの期待通りの濃青色です。右はミャンマー、タイ生息のDen. venustumでリップの形状が特徴です。Coel. longirachis |
Appendicula malindangensis |
Den. venustum |
酷暑のラン栽培
国内では豪雨の次は酷暑と例年にない異常気象が続いています。本サイトの温室がある浜名湖寄りの浜松西区は名古屋や岐阜と比べて3 - 4℃程気温は低いものの寒冷紗、換気扇および天窓のみの高温対策では、午前10時で38℃、午後2時ともなれば40℃を越えます。このため10時頃には全ての温室に、また一部には午後にも散水が必要で極力35℃を超えないように努めています。 しかしこの異常気象下では夜間であっても温室内は30℃を下回ることがありません。一方、クール温室は通常夜間温度を16℃、日中で25℃としているもののこの猛暑でそれぞれ2度程上昇しています。Dendrochilum sp Surigao
フィリピンミンダナオ島Surigao生息のDclm. spの取り付けが終わりました。この株も前記同様に垂直面に活着していたと思われる様態のため20株中、3株程はクリプトモスのポット植えで、他は炭化コルクへの取り付けとなりました。Dclm. sp Surigao |
Dendrobium chrysotoxum v. suavissimum
ミャンマー、ラオス、タイ、ベトナム等に生息するDen. chrysotoxumは花茎当た4-5㎝サイズのオレンジ色の花を15輪程同時開花します。一般種はリップの基部がややダークオレンジとなっているのに対して、var. suavissimumは下写真に見られるように、くっきりとした円形の栗色の模様があります。今回20株をタイから入手し、植え付けが完了しました。下写真左は取り付け後の本種で、右の花写真はサプライヤーからのものです。本サイトでは平均して葉付バルブ4本で2,000円の販売となります。Den. chrysotoxum v. suavissimum |
Bulbophyllum spathulatum
ミャンマー、ラオス、ベトナム生息のBulb. spatulatumはBulb. frostiiに似て履物のような花をつけます。Bulb. frostii(3㎝)に比べて一回り小さい花(2㎝)ですが5- 10輪程と多輪花です。今月タイから入荷した20株の植え付けが終了したところです。栽培は中温タイプとなります。右写真はサプライヤーからです。Bulb. spathulatum |
Bulbophyllum marknaivei
フィリピン・ミンダナオ島Lanao生息のバルボフィラムの新種Bulb. marknaiveiの植え付けが終わりました。下写真が炭化コルクに付けた3例です。Bulb. marknaivei |
Dendrobium palpebrae
ミャンマー・タイ、ベトナムなどに分布する中温タイプのデンドロビウムです。Den. farmeri var. albaとよく混同されているそうですが、orchidspecies.comによると本種はリップが卵形で基部(縁のギザギザではなく基部全体に)に細毛がある点で異なるとされます。今回入手したサプライヤーのサイトではDen. farmeriと本種とは別種として扱っていることからDen. palpebraeと見なして問題は無いと思われます。本種名で国内マーケットをネット検索したところ数点ヒットし、その多くが種の表記としてDen. palpebrae (Den. farmeri var. album)とされており両者を区別していません。よって現在の国内マーケットで販売されている種がDen. farmeriかDen. palpebraeのどちらかは不明です。1株3茎(疑似バルブ)で3,000円が見られます。本サイトでは凡そ5倍サイズの葉付15茎で3,000円としました。本種のような長く下垂する総状花序をもつタイプは、大株仕立てでより多くの花茎を発生させ豪華さを増すことが好ましいと思います。下写真左および中央は植え付けが終了した2株を撮影したもので、写真左が14茎、中央が15茎です。写真右はサプライヤーからの写真です。Den. palpebrae |
Dendrochilum sp North Luzon
ルソン島北部から黄とクリムゾン色のツートーンカラーのデンドロキラムを入手しました。送られてきたサプライヤーの写真は花の画像が不明で種名がなかったことから小さなバルブからなるバルボフィラムではないか思っていました。しかし現地に入荷した開花株を見てデンドロキラムと分かりました。色合いが良いのでこれはこれでと10株程を持ち帰りました。下写真がそれで右は植え付けが終わった2株です。(後記: 詳しく写真の株を調べたところ、花茎が葉元からではなくバルブの下部、すなわちバルブのリゾームとの付け根辺りから出ていることが分かりました。これはデンドロキラムではなくバルボフィラムの形態であり、現在精査中です。)Dclm. sp North Luzon |
Appendicula malindangensis
Mindanao島から入手のAppendicula malindangensisの植え付けが終わりました。4年前は素焼き鉢にミスゴケでの植え付けでしたが今回はスリット入りプラスチックポットにミズゴケ(下写真左)です。また本種は着生ランであることから数株を右写真のようにバーク木片にも取り付けてみました。こちらは展示用です。右写真の左端の株は70㎝を超える非常に長い茎が2本あり、またその隣の株は新芽が2本出ており順化期間を含め成長が観察できるためバーク付けとなりました。ポット植えの本種の価格は、従来通り2,000円です。Appendicula malindangensis |
Dendrobium (Euphlebium) spとCymbidiumの植え付け
写真左はフィリピンから持ち帰ったEuphlebium spの6株です。昨年フィリピンよりEuphlebium balzerianumとbicolenseを入手しました。これらは1日花のため人気が今一つです。展示会に出し審査時点では花が咲いていても翌日の初日には枯れていると言う何とも都合の悪い性質もその原因の一つかも知れません。一方で短命であるが故に花への愛着が湧くもので謂わばマニア向けと言ったところでしょうか。Den. amboinenseも代表的な1日花ですが、こちらは浜松温室では年に2回、全株が一斉に開花します。一方Den. crumenatamは年3回、またDen. insingneはほぼ4回です。それに対してEuphlebium balzerianumとbicolenseの2種を一緒に栽培している温室内では、株単体の開花は年3回程と思いますが、前種の一斉開花とは異なりそれぞれがばらばらに開花する性質があり、2種合わせて20株以上を栽培していると、冬季の4か月を除き毎月どれかの株で花が見られます。Euphlebium属はフィリピンに8種程知られています。しかし今回の6株は種名不詳での入荷のため開花まで分かりません。Dendrobium sp Palawan
Palawan生息のDen. spがあるとのことで20株を持ち帰りました。株の葉や茎の形状を見る限り、類似する種としてはDen. fairchildiaeが考えられるのですが、Den. fairchildiaeがPalawanに生息する情報は聞きません。ラン園のスタッフによると入荷時にピンク色の花が咲いておりDen. miyasakiiよりはやや小さい花であったとのことでした。Den. miyasakiiを知っているのであればDen. fairchidiaeも知っているであろうと思われるのですが。いずれにせよ開花するまで種名は分かりません。Den. fairchidiaeであれば、現在10株ほど栽培をしており年2回開花するので確認ができると思います。下写真が今回入手したDen. spです。Den. sp Palawan |
Bulbophyllum glebulosum、spおよびBulbophyllum levanae
Bulb. glebulosumの一部取り付けを始めました。下写真左の右3株がそれらです。価格は2,000円から5,000円の範囲となります。この株の取り付けの際にも種名不詳の株が混在していました。それが左端の1株です。このBulb.spもこれまでに扱った種に合致するものがなく開花を待つ以外ありません。一方、写真右はBulb. levanaeで初入荷です。バルブは短径で丸みがありますが花形状はBulb. trigonosepalumと似ておりBulb. trigonosepalum 近縁種の一つです。Bulb. glebulosum(右3株)とsp(左1株) | Bulb. levanae |
Aerides krabiensis
マレー半島およびタイ生息の本種を5月に5株初入荷し、今月新たに10株を得ました。入荷時の株の形状を見ると、そのまま茎が直立(下写真右3株)しているものと、Vanda merrilliiによく見られる主茎は下垂するものの先端部は上に向かって湾曲しているものがあり、そうしたこれまでの生態状況に合わせて取り付けました。一般サイズで2,500円を予定しています。Aerides krabiensis |
Dendrobium cumulatum
ヒマラヤからミャンマー、タイ、ベトナム、ボルネオ島まで広範囲に分布する本種は3-4㎝のそれなりの大きさの花を多数同時開花しバニラの香りがするそうです。比較的知られたデンドロビウムと思います。半立ち性ですが、疑似バルブ(茎)が長くなると下垂します。よって大株では、支持棒を用いたポット植えか、吊り下げ栽培となります。国内マーケットにおいては数ラン園が本種を2,000円から3,000円程で販売しています。これらの多くは疑似バルブ数が5本前後で、15㎝に満たない小さな株もあるようです。今回、タイのラン園から直輸入で入手したDen. cumulatumは、全ての株で1株のバルブ数は20本前後で、その背丈は50㎝以上あり、国内でこれまで販売されている株の様態とはまるで異なることから20株入手した中から4株を参考に写真に撮りました。20株ほとんどがこのサイズです。写真上段のメジャーは50㎝長のものです。Den. cumulatum |
Phalaenopsis fasciata
フィリピンルソン島からMindanao島まで分布する本種は入手難という訳でもないものの5年ぶりの入荷です。今回はMindanao島からの入手であり、これまでの実績からおそらくPhal. fasciataではなくPhal. reichenbachianaの可能性があります。下写真左は現在の仮植え状態の植え付け待ちです。いずれも丈夫な種であることから2-3ヶ月の間には開花があり確認できると思います。Phal. fasciata ? |
Phal. fasciata |
Phal. reichenbachiana |
Phalaenopsis aphrodite f. alba
今回のフィリピン訪問で知人からPhal. aphrodite f. albaを1株頂いてきました。こうした希少種はマザープランとして本サイトで自家交配して実生化を図り、フィリピンに戻す考えです。そうした活動には受け入れ先としてフィリピンを含めマレーシアやインドネシアなど自国の希少生物に対してのex situ (生息域外保全)のための組織や施設の存在が必要であり、それぞれの生息国に期待しています。Phal. aphrodite f. alba |
Bulbophyllum sp Mindanao
名称不明のバルボフィルムが相当数、今回のフィリピン入荷に含まれています。下写真上段はMindanao島Bukidnonからの1種(左)とLanaoからの2種(中央および右)です。花写真もなく開花するまでどのようなバルボフィラムか分かりません。現地では左のBukidnonからの株は紫色の花とだけの情報です。下段左は現地での栽培風景と思われます。上段左の炭化コルクに植え付けた株と同一種です。バルブ間のリゾームが長く、バルブは赤茶色で葉に厚みがあります。また赤味のある長く細い花茎が写真に写っています。こうした種はこれまで扱ったことが無くおそらく新種かマーケットにほとんど見られない種と思われます。一方上段中央は葉は薄く披針形でLanaoからです。同様に写真右は葉が楕円形です。いずれも本サイトとしてはバルブ、葉、リゾームそれぞれの形状を総合してこれまでにない形状であり、種名を同定するには開花を待つ以外ありません。下段右は上段の3種を一堂に並べて撮影したものです。最も長い炭化コルクは60 x 9.5 - 10cm、他は45 x 9 cmと30 x 8.5㎝でコルクの横幅から葉サイズが推測できるかと思います。取り敢えず左はBulb. sp Bukidnon A, 中央はBulb. sp Lanao A、右はBulb. sp Lanao Bと仮称して扱うことにしました。大型Bulbophyllumの取り付け終了
フィリピンMindanao島Bukidnon生息の大型バルボフィラム10株の取り付けが終わりました。5㎝厚の炭化コルクに1.5mm盆栽用アルミ線での取り付けです。これから順化栽培に入ります。右写真は本種の開花風景です。会員の方からBulb. penduliscapumの可能性ありとの情報を頂きました。現在、BukidnonやLanaoなどからの種名不詳のBulb. spが取り付け待機中で一両日中には終わりたいと休む時間も無い状態です。その後の花
Den. tobaenseとDen. ayubiiの開花を撮影しました。Den. tobaenseは12㎝スパンの花を2輪、Den. ayubiiは4輪同時開花で、それそれ開花期間は1か月程と長寿命です。いずれも炭化コルク付けの中温栽培です。Den. tobaense |
Den. ayubii |
Dendrobium christyanum
5月に入荷したベトナムおよびタイ北部と中国雲南省に生息する中温タイプのDen. christyanumが開花しています。現在バーク木片と炭化コルクに取り付けた15株全株に揃って蕾がついています。5㎝とそれなりのサイズのやさしい雰囲気の花で現在の蕾の数からは1株に2-6輪程が開花するようです。それぞれの株が同じタイミングで開花し開花寿命も長いようなので次回の発注で10株単位の寄せ植えも良いかと考えているところです。本サイトでは株サイズにより炭化コルク付けで1,500円(5バルブ)から3,000円(10バルブ以上)としています。Den. christyanum |
タイから入荷のミャンマーおよびタイ生息種を中心とした主なデンドロビウムその他
5月以降2回に分けてタイからの直輸入で入荷した主なデンドロビウムその他は下記です。まずは一般種からとなります。2-3種を除き、バルボフィラムは一般サイズで1,500円、デンドロビウムは2,000円からとなります。現在多数のマーケット入手難の種や2000年以降登録の新種を注文中です。Phalaenopsis lueddemanniana Mindanao
Phal. lueddemannianaはフィリピン固有種でルソン島北部からMindano島までほぼ全土に分布しておりフィリピンを代表するランの一つです。今回入手した株はMindanao島Surigao生息で、Mindanao島から纏まって本種が入荷するのはこれまでの10年間で初めてです。他地域の花では赤い棒状斑点が白や薄黄色のベース色にストライプ状に並んでいますが、Mindanao島の株はこの棒状斑点が太く、重なり合うことが多く下写真右下のようなソリッドレッドに近いフォーム(写真は今回のロットの花です)が多いことで知られています。またルソン島北部の同種と比較し1.5倍程の葉長を持ちます。仮植え中のPhal. lueddemanniana Mindanao |
Bulbophyllum recurvilabre
5月のサンシャインラン展で初日で売り切れとなったBulb. recurvilabreを今回10株入手しました。ラン展では開花中であったため、花を見ての人気であったと思います。今回は4-5バルブの普通サイズではなく可能な限り大株を、と注文していました。全て12バルブ以上でしたが、いずれも左右方向に2分岐した株で、これを長方形の板状支持材に取り付けると板が横向きの姿になり吊り下げタイプとしては不釣り合いとなるため分岐点で切断し、またその際に古いバルブを整理し葉の向きを揃え縦方向に一列になるように取り付けました。取付支持材は炭化コルクとバーク板です。写真左が取り付け後の画像3例で、右はサンシャインらん展で販売した株の本種の花です。Bulb. recurvilabre |
Cymbidium sp BukidononとCymbidium aliciae
Mindanao島からの出荷可能リストにデンドロビウムやバルボフィラムに混じって、Bukidnon生息のシンビジウムが2点含まれていました。それらの花形状はCym, aliciaeに似ているものの葉は細く、またセパル・ペタルがサーモン色と黄色の2種類のカラーフォームがあるとのことで園主としても始めて見る種とのことでした。それではとそれぞれ20株を入手しました。黄色のシンビジウムと言えば近隣のSurigaoにCym. chloranthum subsp. palawanenseが生息しており、またCym. finlaysonianumなども考えられるものの葉形状が異なることから、おそらく今回入手の株は新種か、これまでマーケットには見られなかった種であろうと思われます。写真左の手前左右の株がそれらで、それぞれ20株あります。奥の明るい緑色の幅広の葉の株はルソン島からのCym. aliciaeで別種です。一方、右写真はトレー内すべてがNueva Viscaya Kayapa標高1,500mのCym. aliciaeで、小株から大株まで左写真の株と同様に植え付け待ちの状態です。左のトレーの奥と同じ種ですが葉色が異なっており、サプライヤーも異なることから、おそらく地域差と思われます。Bulbophyllum lasioglossumとBulb. sp
今回のフィリピン訪問で入手したバルボフィラムは11種類あり半数が種名不詳です。その内、4種がミンダナオ島生息種で他はルソン島北部とPulilio島となります。このルソン島北部生息種にBulb. lasioglossumが含まれ20株を持ち帰りました。。しかし今回この株の植え付けをしていたところその形態に違和感を覚え、改めて形状比較してみたところ写真が示すように葉およびバルブ形状の異なる2種類の株が混在しているようです。一つは葉が披針形あるいは長楕円の一方で、他方は丸みのある楕円形です。またバルブ形状も写真中央と右のようにそれぞれ異なっています。Phalaenopsis sanderianaとAppendicula malindangensis
Phal. sanderianaは3年ほど前にサプライヤーの世代交代でしばらく入手が難しい状態が続き、前POS会長の所有する株を分けて頂いていたのですが、どうやらMindanao島からの入荷ができるようになったようです。大きな株で下写真左が本種で、写真の右から4番目の小さくみえる株が本来のマーケットで通常見るサイズであることから、今回入荷株が如何に大きな葉であるかが分かります。ほとんどが最大サイズとされる30㎝前後です。Phalaenopsis sanderiana | Appendicula malindangensis |
Bulbophyllum glebulosumとBulbophyllum membranifolium
Bulb. glebulosumはフィリピンルソン島Aurora州生息の2008年登録の新種です。中温タイプとなります。これまでなかなか入手が困難でしたが、やっと入荷できました。ネットでのマーケット情報はほとんど見当たりません。 写真左が植え付け前のBulb. glebulosum、中央は同種のW. Suwarez氏の花画像です。一方、右はMindanao島Surigao生息のスポットフォームのBulb. membranifoliumで、こちらも入手しました。Bulb. glebulosum | Bulb. membranifolium |
Bulbophyllum marknaivei LanaoとAerides magnifica
Bulb. marknaiveiはMindanao島Misamis Oriental州、標高1,200mの雲霧林にて採取された2016年登録の新種です。今回入手した株は西隣のLanao州生息株で下写真左は植え付け前の20株程です。本種に関しての情報はOrchideenJournal Vol.4.4 2016の記載以外詳細情報がなく、右写真は花画像掲載のJournalの表紙です。本サイトでは中温タイプとして炭化コルク植え付けとなります。株サイズにより2,500 - 3,000円の予定です。Bulb. marknaivei |
Aerides magnifica |
Dendrochilum sp Surigao
デンドロキラムはアメリカやヨーロッパと違い国内ではあまり人気がないようで、本サイトとしてもこれまでラン展に共同で出店したラン園の売れ残り株を引き取っていた程度でした。しかし今回サプライヤーから送られたMindanao島Surigao生息の、おそらくデンドロキラムと思いますが、種名不詳の花画像には魅力を感じ、また園主も始めて見るとのことで20株ほどを入手してきました。左は植え付け待ちの本種です。スリット入りプラスチック鉢に100%クリプトモスでの植え付け予定です。Dclm. sp Surigao |
Phalaenopsis mariae
久々のフィリピンからの胡蝶蘭原種です。これまで長く胡蝶蘭原種を取り扱ってきましたが、現地園主も驚くこれまで見た中では最大のPhal. mariae野生栽培株です。葉長40㎝を超える株もあります。写真左は仮植え中のもので、数日後に炭化コルクに取り付けとなります。今月一杯は順化栽培を行って葉の張りを戻し、8月から販売を行います。これまでの本種の野生栽培株に500円程度プラスした価格を予定しています。Phal. mariae |
Rhynchostylis coelestis Blue
280株のタイからの入荷が6日にあり、こちらも併せて紹介を始めます。この中にベトナム、カンボジア、タイに生息するRhynchostylis coelestisが含まれます。本種は青、紫、ピンクの花色があり、特に青色の濃いフォームを希望しての注文を行いました。期待される花色は下写真となります。左は入荷した株で大きなBSサイズです。2,500円での販売を予定しています。Rhynchostylis coelestis Blue |
Bulbophyllum inacootesii BukidnonとCoelogyne longirachis Lanao
フィリピン訪問で入手したバルボフィラムとセロジネです。前者は2016年登録の新種で、後者は古くから知られているものの、生息地がMindanao島BukidnonやLanaoの独立闘争地域のため入手が難しく、今回の入手は初めてです。花画像はいずれもサプライヤーからコピーです。Bulb. inacootesiiは2016年のOrchideen Jouanalに詳細が記載されています。いずれも標高1,300mの中温とされていますが、Bulb. inacootesiiは高温タイプとの説もあります。Bulb. inacootesiiは2,500円から、またCoel. longirachisは3,000円を予定しています。Bulb. inacootesii | |
Coel. longirachis |
Dendrobium boosii Lanao
これまで知られていたDen. boosiiは2011年登録のMindanao島Bukidnon生息株ですが、本種はMindanao島北西部Lanaoの生息株です。花画像はサプライヤーからのものです。本種は多くの個体差があるようで、画像検索では今の所該当フォームがないためそのまま掲載しました。Den. boosii |
Bulbophyllum spとDendrobium derekcabactulanii
フィリピン訪問にて入手したBulb. spと2017年登録のDen. derekcabactuloniiです。いずれもミンダナオ島Bukidnon生息種で前者は写真上段右の画像に見られるように60㎝にも及ぶ倒披針形の大きな葉と1m程の下垂花序が特徴です。2015年の歳月記にBulb. spとしてスラウエシ島生息種を取り上げましたが葉の形状や花色は異なるもののバルボフィラムとしては最大種の一つと思われます。左および中央は今回入手した株の内、2株を5㎝厚の炭化コルクに取りつけたものです。価格は株サイズにより4,000円からとなります。Bulb. sp Bukidnon | ||
Den. derekcabactulanii |
フィリピン訪問
1年2ヶ月ぶりにフィリピンを訪問し3日に戻りました。繰り返しになりますが、日本の業者が輸出入禁止の絶滅危惧種であるヘビとメガネザル等をアクアプラントとされる箱の中に隠して違法輸入をしていたことが分かり、その業者の調査をさらに進めた結果、数年に渡り常習的にこの違法を繰り返していたことも判明、フィリピン植物検疫所にとっては、それこそ”あなた方は真面にこれまで仕事をしてきたのか”と大いに面子を潰された恰好になってしまいました。そうした背景から輸出検疫が厳しくなり昨年4月以降、主なランの輸出業者に対しても立会検査も辞さずと、植物検査の日取りは検疫所の都合で決まることになり、CITES認可を予め得ておくことは出来ても、訪問してランを選びそれを帰国前日に検疫所に持参し、その日のうちに許可を得られるかどうかが分からなくなりました。結局高い渡航費を使って出かけても現地からランを持ち帰ることができるどうかの保証がない以上、訪問する意味がなくなり、これまでの10年間年数回行っていたフィリピンへの訪問を中止していました。昨年11月には検査が終了次第園主直々に成田まで持ってきてもらうこともありました。検疫が終わってから取りに行けばよいのではと思われるかも知れませんが、フィリピンの高温下で密封から持ち帰りまでの時間がEMSと変わらないのでは品質の保証ができません。それが今年4月から、箱は完全密封で検査官の手書き署名の封印で再び申請当日の認可が得られることになり今回の訪問となった訳です。