栽培、海外ラン園視察などに関する月々の出来事を掲載します。内容は随時校正することがあるため毎回の更新を願います。 ARCHIVE

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9月

Dendrobium reypimentelii

 本種もまたミンダナオ島Bukidnon標高1,600mの生息種で2016年に登録された新種です。Den.. boosiiと比べてやや高地の同じコケ林での生息が報告されています。茎の長さはDen. boosiiが1m近くまで伸長するのに対して本種は50㎝止まりで茎がやや太いのが特徴です。下写真に本種及びDen. boosiiとの違いを示します。生息域の標高から低 - 中温栽培となり日本の東北や北海道などを除いて夏季はクール室あるいは山上げなどの環境が必要となります。

 下写真上段左は本種の栽培風景の一部で炭化コルクに植え付け対面配置をしています。本種は雲や霧に覆われるコケ林での生息のため低輝度環境が考えられますが、本サイトでは白色光LED直下での栽培です。上段中央は本種の1株を示すものです。一方、右写真は左2株が現在開花中のDen. boosiiで、右側が本種です。Den, boosiiおよび本種いずれも花は落葉した茎につきます。右の画像から茎の長さの違いが分かります。下段左は本種の葉、中央は現在浜松中温室にて開花待ちの蕾、右は現地で撮影された花です。来年1月のサンシャインラン展にはDen. boosiiと共にそれぞれ20株程を出品する予定です。現在の価格は3,000円で、すでに温室を訪問される方の多くが購入されています。


現在開花中の胡蝶蘭原種2点

 現在浜松温室にて胡蝶蘭原種はPhal. fasciata、pulchra、sumatrana、celebensis、bellina、violacea sumatra、violacea mentawai、modesta、sanderiana、venosaなどが開花しています。それ以外の2点を撮影してみました。写真左のPhal. lindeniiはリップがグラデーションのある赤紫色で写真の様な濃い色合のフォームは希少です。一方右はPhal. minusです。現在10株程在庫しており、3株が開花中です。独特の花形状で、1ヶ月程開花を続けます。


Phal. lindenii

Phal. minus

ミンダナオ島バルボフィラム3つの新種

 下写真はそれぞれ炭化コルク2個毎に右からBulb. marknaivei 2016、中央がBulb. prasinoglossum 2018および左がBulb. inacootesii 2016です。写真右の花画像はBulb. marknaiveiで浜松にて撮影したものです。特にBulb. prasinoglossumは今年に入っての直近の新種となります。いずれもミンダナオ島Bukidnon標高1,200m生息種で、中温栽培となります。これらは株サイズにより2,500円(3バルブ)から販売しており、現在温室訪問者の多くが購入あるいは予約されています。ミンダナオ島からのバルボフィラムは現在、浜松および現地ラン園のストック株を含め10種以上のsp(種名不詳)があり、年内には全て入荷し来年サンシャインラン展および東京ドームラン展に出品する予定です。それまで残っていればですが。下写真の3品種は今回それぞれ20-30株程入荷した一部です。こうした新種を数十株一纏めで入手すると、その中に葉あるいはバルブ形状が似てはいるものの明らかに別種と思われる株が1-2株混在していることがあり、そうした不明種も3株程となりました。これらも開花を待っての同定となります。

Bulb. inacootesii (left), Bulb. prasinoglossum (center), Bulb. marknaivei (right) Bulb. marknaivei

Cymbidium lancifoliumの新芽

 8月にマレーシアから高温障害で傷んだ本種を持ち帰ったことを取り上げましたが、最優先で植え付けを行ってから丁度1か月が経過します。その後の状態を調べてみたところ、多数の株で新芽が発生していました。昼夜の最高・最低温度がそれぞれ22℃と16℃のクール温室においての順化栽培です。適温であれば、相当傷ついていても生きた葉と根が僅かでも残っていれば、再生する生命力を見ているようです。この小さな芽から葉が開くまでの期間が最も病気に罹り易く、この期間の病害虫防除処理は不可欠です。一方、Cym. elongatumは2週間遅れの植え付けで、現在頂芽の伸長を待っているところです。

Cym. lancifolium

胡蝶蘭原種4種の植え付け

 仮植えしていた胡蝶蘭原種4種の植付けを行いました。下写真がそれらで、右から順にPhal. kunstleri4株、hieroglyphica4株、pantherina2株、奥がzebrina Sabahで、それぞれ入荷株の一部となります。Phal. kunstleriは4年ぶりの入荷です。一方、Phal. hieroglyphicaは葉長が30㎝を超える特大株で、花サイズも一般サイズの1.5倍程あります。昨年からPhal. hieroglyphicaは花サイズの大きな実生品種がマーケットに見られようになりました。本サイトでもマレーシアにて昨年入手したLL株は今年2月の東京ドームラン展のプレオーダー品として2,500円の実生価格で販売しました。

 本サイトでは実生品種は交配系統が不明なため、ほとんど取り扱いませんが、例えばPhal. violacea Indigo blueやPhal. bellina albaなどはFSサイズを1,500-2,500円範囲内で販売しています。 下写真のPhal. hieroglyphicaは実生ではなく野生栽培株で生息地フィリピンからの持ち帰り株です。こうした特大株は本サイトでは一般サイズ価格の1.5倍程としています。また今回マレーシアにて入手したPhal. pantherina(写真で根が垂れている株)は、こちらも花サイズが大きなタイプです。Phal. pantherina野生栽培株はこれまでPhal. cochlearisPhal. javanicaとほぼ同額でしたが、しばしばランの国際標準価格として参考にするシンガポールのAsiatic greenでは胡蝶蘭原種の一般種としては現在最も高価で、日本円で17,000円程です。マーケットでのPhal. pantherina名の実生の多くは、下写真の花画像に見られるような本種の特徴である中央弁先端の白くシャープで大きな三日月形ではなく小さく反りも浅く、Phal. cornu-cervi complexとの交雑種らしき形状が見られます。こうしたこともあっての純正種ならではの価格高騰ではないかと思われます。これらは今後3ヶ月間程の順化栽培に入ります。


Phal. zebrina Sabah

Phal. pantherina

Phal. hieroglyphica

Phal. kunstleri

Bulbophyllum echinochilum

 この種名からBulb. echinolabiumならば持っている、あるいはBulb. echinolabiumのスペルミスではと思われる方も多いのではと思います。Bulb. **labiumではなく、**chilumです。7-8年前にフィリピンケソン市のラン展Flora Filipina Expoにて1株入手しました。当方もBulb. echinolabiumを買うつもりでしたが、それにしてはバルブ形状が饅頭のようでおかしいなと思いつつも購入したものです。胡蝶蘭原種と同じ環境で栽培を始めましたが、花は咲かず株も古いバルブが枯れるとその分だけ新しいバルブが発生する繰り返しで、鳴かず飛ばずの現状維持が続き、かと言って枯れる訳でもなく、やがて忘れ去られたかのようにヘゴ板に取りつけたまま温室の片隅に吊り下げられていました。そうした中、2年程前のバルボフィラム植え替え時期を迎え、古くなったヘゴ板と株の様子からこれを廃棄するかどうか考えながらも、取り敢えずは古く擦れたラベルに書かれた種名をネットで調べて見ることにしました。そこで初めて本種の素性を知りました。

 orchidspecies.comによると本種は100年近く前にフィリピンで記録され、その後は見つからず絶滅したと思われていたそうですが、最近になりインドネシア領スラウエシ島の標高900-1,000mのコケ林で本種が撮影された、とあります。フィリピンで入手した株に付いていたでラベルを見たところ所有者の名前か地域名かの文字があり、これは粗末には出来ないと炭化コルクに移し替え、本サイトのバルボフィラムサムネールも2016年に更新しました。またJ. Cootes氏の著書ではルソン島の2か所の山に生息すると記載されています。果たして生息数が多いのか希少種なのかは不明ですが、一見、花茎と花付きが似た種のBulb. sauroephalumはマーケットでよく見かけるものの本種は入手以来見たことがありません。

 生息域情報からそれまでの高温からBulb. lasioglossumの置かれた中温室に移し替えたところ、別種の如く成長が盛んとなり、一株が現在4株(1株は10バルブ以上)まで増え、その内3株に今月花茎が付きました。胡蝶蘭では頂芽優先の特性があり、これは脇芽を発生するよりも頂芽の成長を優先します。そのため繁殖は主に高芽となります。バルブフィラムにおいてはリゾームが損傷を受けた場合に、バルブ基部のもう一つの成長点が目覚めて新たな成長芽を発生させる性質が、特にリゾームの長い大型のバルボフィラムによく見られます。一方、本種はしばしば一つのバルブから2つの成長芽が発生します。栽培経験からはバルブが平ぺったい品種にこの性質が多いように思われます。これが本種の短期間での繁殖となっています。

 下写真は開花が始まった直後の株と花を撮影したものです。花の姿が捉えにくく反時計回りに90°回転してみると分かり易くなります。カールした2枚がラテラルセパルでドーサルセパルは花茎にピッタリと接触している方です。ペタルは小さくて分かり難いです。蕊柱を覆い隠しポリネーターをも拒むような、このたわしの様なリップの髭は何を目的に数千年もかけて進化したのか不思議です。7mm程の小さな花で1週間程で15-20輪程になると思います。またリップの細毛と形状を見るとスラウエシ島生息種の画像とは異なり地域差があるようです。同じHirtula節にはBulb. jolandaeや前記したxenosumが含まれます。

Bulb. echinochilum

Bulbophyllum xenosum

  ボルネオ島の標高600 - 900m生息のBulb. xenosumBulb. jolandaeのようにリップに細毛があり、このリップが風で前後にカクカクと動き、花茎の30輪程が一斉にタイミングをずらしながら動き始めると、まるで生き物が集まっているかのようで面白い景色となるバルボフィラムです。今回のマレーシア訪問のラン園に20株程ありました。 しかし夜間平均温度が25℃を1年の内ほとんど下回ることのないクアラルンプール近郊で本種を栽培するのは困難であり、いつ入荷したのかは定かではありませんが2-3ヶ月は経っているらしく、案の定ほとんどの株は1-2枚の葉を残し元気がありませんでした。このままでは枯れるのは時間の問題と園主も気付いていたようで何とか引き取ってもらえないかと言われ、予定外でしたがBulb. jolandaeの入手は難しくないものの本種は3年以上海外ラン園で見ていないため全て持ち帰りました。中温タイプですがBulb. jolandaeの1,500m標高から比べればかなり低地生息種で日本では東北や日本海側であれば特別なクール対策は不要と思われます。

 浜松では中温室に置き、トレーにミズゴケを敷き、その上に並べてから根の周りをミズゴケで覆う仮植え処理をし、ダメ元で様子を見ていましたが1か月ほどで全ての株に新芽が現れ始めたため本植えとしました。下写真がそれらです。右の3Lサイズのバーク木片には60バルブを超える大株が1株あり、展示用として取り付けたものです。

Bulb. xenosum

2種類のCoelogyne sp

 先月マレーシアから持ち帰ったセロジネの内、種名不詳が3種あり、その一つはCologyne sp red-lipとして画像を先日掲載しました。残る2種の取り付けが終了しました。下写真上段は一見バルボフィラムと見間違える様な、セロジネに一般的に見られる薄葉で縦の葉脈が入っている形態ではなく、葉に厚みがあり株も垂直方向に直線的に伸長しています。バルブに縦皺がなければバルボフィラムとまず間違えます。長く下垂する花茎に、セパルペタルは白色でリップに黄色の斑点のある花がかなりの数で同時開花するそうです。

 一方下段はCoel. monoilirachidsに似た形状のしかし白色の花との園主の説明でしたが、Coel. moilirachisはバルブが下写真とは異なり細長くスリムで、写真のような滑らかな表皮の円錐形とは異なります。バルブ形状からはCoel. longifoliiaCoel. bicamerataと思われます。いずれもクールから中温タイプであるため、現在中温室にて順化中です。Coel. odoardiと共に入荷したようなのでボルネオ島生息種の可能性がありますが、後者2種はそれぞれインドネシアスマトラ島とスラウエシ島ですので、現在生息地を確認しているところです。いずれにしても開花するまでは種名は分かりません。


Dendrobium boosiiLanao

 昨年11月に紹介した本種はミンダナオ島Bukidnon生息株でしたが、今年7月には隣の州であるLanaoからも入手ました。この株が現在中温室にて開花中です。下写真がそれらで下垂する1m程の長さの疑似バルブのnode(節)からそれぞれ花柄がでて1輪つづ、バルブ当たり5-7輪の3.5-4㎝の花が開花します。

Den. boosii Lanao Mindanao

Vanda limbata LombokとBulbophyllum levanae

  Vanda perplexa名で入荷した株でしたがVanda limbataのミスラベルであった株の植え付けがほぼ終了しました。左写真で20株の内の6株です。Vanda limbataはインドネシア生息種でこれまでスラウエシ島およびJava島が知られていますが、今回の株はLombok島からで初入荷とのことでした。今回これらをマレーシアから持ち帰った小さな四角のプラスチックバスケットに植え付け、バスケットにはクリプトモスを入れています。これはVandaのベアールートでの吊るし栽培では湿度の低い環境が許されないことと置き肥に便利なためです。一方、クリプトモスの代わりにミズゴケでは濡れ過ぎで根の腐敗リスクが高くなります。

 一方、右写真はフィリピンから持ち帰ったBulb. levanaeです。Bulb. trigonosepalum complex(近縁種)と思われますが、このグループは似たり寄ったりでミスラベルも多く、開花して見ないと種名が分からないというバルボフィラムです。何が現れるか分からないのもそれはそれで興味があり、バルブや葉の形状が従来在庫株とどのように異なるのかを調べるのも楽しいものです。こうした開花前の株でも購入したいと言う人が後を絶ちませんが、何が出ても構わないと言う覚悟の人だけの販売となっています。今回のマレーシアから持ち帰ったパプアニューギニア生息のバルボフィラムは未だ取り付け前の状態のまま15種もあり、すべてこれらは何が咲くか分からない株ばかりです。


Dendrobium lydiaeCleisocentron gokusingii

  Den. lydiaeはフィリピンMindanao島Bukidnon生息のデンドロビウムで2016年登録の新種です。本サイトでは同年の暮に入手し2017年2月の歳月記に開花した株の花を掲載しました。本種の生息地の標高は1,200mとされることから栽培では中温環境となります。晩秋から晩春までは他の高温タイプ種と同居しても夜間平均温度が20℃以下であれば成長に影響はないものの日本の、特に今年のような猛暑と長い熱帯夜に耐えることは困難です。下写真上段左はDen. lydiaeの炭化コルク付け。右はその花で一つの花茎に10輪程が開花します。

 また写真下段左の素焼き鉢の前方から後方に向かう左3列もDen. lydiaeで、右2列がCleisocentron gokusingiiです。Clctn. gokusingiiはブルーの花色で知られており、ボルネオ島Sabah州標高1,800m生息のクールタイプとなります。本サイトでは中温室にて栽培をしており、夜間平均温度はDen. lydiae同様に20℃以下としますが日中の温度は30℃を越えても問題は見られません。むしろ昼夜の温度差が小さいと開花が難しいように思います。写真下段右のClctn. gokusingiiの花は21日の撮影で仮植え中に開花していました。Den. lydiaeClctn. gokusingiiは両者のよく似た栽培適正温度のため同じ場所に並べています。

 Den. lyadiaeは今回、炭化コルクと素焼き鉢の2つの異なる植え付けをしました。これも根の形態からの判断に依るものです。素焼き鉢は3号サイズを用い、かん水による過水状態を避けるため、鉢底にクリプトモス大サイズを鉢の1/3程の厚さに入れており、ミズゴケの実質使用量は鉢全体体積の1/3と僅かです。


Dendrobium rindjanienseの植え付け完了

  マレーシアから持ち帰った60株のDen.. rindjanienseの植え付けがようやく完了しました。今回入荷した株は多くが40㎝以上の疑似バルブ(茎)をもつ大株です。約半数をバーク木片と炭化コルクに、他はスリット入りプラスチックポットおよびバスケットのそれぞれ4つの植付け方法としました。この植付けの違いは入荷時の根の形態に合わせたためです。大株を60株並べた姿は壮観で下写真の上段および下段左となります。下段中央は一部の拡大写真で、30cm - 40㎝を超える茎を示しています。一方、上段右は50㎝を超える長さの茎をもつ特大株でバーク木片3Lサイズ(縦40㎝)に取り付けた展示用仕立てです。下段右の花画像は昨年撮影した本種の花見本です。本サイトでは株サイズにより3,500円からとしています。

 今回こうした大株が入手できたのは、成長している株を販売のために小分けしてはならない。株分け品は購入しないと、かねがね現地ラン園主に強く要請しているためです。本種を画像検索するとインドネシアラン園での膨大な数の本種が小さく同じようなサイズに株分けされ、素焼き鉢にヤシガラ繊維で植え付けられている風景が見られますが、殆んどの株で葉がありません。つまりバックバルブであり株分けの結果です。こうした状態の株はこれまでの経験から生きた根がほとんどなく海外ラン園でしばしば見られますが新芽のない(言い換えれば新根の無い)株を育てることは至難なことです。

 本種の特徴であるコブ形状が連なる疑似バルブ(茎)は、新芽の伸長と共に形成されていくのではなく、まずコブの無いスリムな茎がそれぞれの節に葉を残しながら伸長していきます。適度な長さに達した段階で伸長が止まると茎基部側から順次落葉しつつ節間が膨らみ始めます。最後には頂芽の双葉のみが残り、画像で見られる様なコブが出来上がっていきます。下写真の上段左右の葉の付いた弓なりの茎を見ると分かりますが、コブはまだ無く、しかしその長さはコブのある茎とほぼ同じです。 このことから新芽が出る時期に如何に芽を伸ばすかが大株をつくるポイントとなります。こうした本種の特性から新芽発生時期には液肥の散布が有効と思われます。温室栽培での観測からは、3-4本の茎数の株の新芽の発生数は1年で精々1つです。大株になれば纏まった数バルブ毎に新芽が発生しますが、中温から低温タイプの品種をそこまでの株サイズにするには果たして何年かかるか、上段右のような茎数だけでなくその長さも40㎝超えの株にするには10年以上はかかるかも知れません。そこまで待てないという人は当初から大株を入手する以外ありません。

  Den. rindjanienseは先月大規模地震で甚大な被害がでたインドネシアLombok島の標高1,900mから2,000mに生息するクールタイプのデンドロビウムです。中温からクール環境での栽培が必要となります。本サイトでは、低・中温室の夜間平均温度は通年で15℃ - 20℃としています。日中は30℃を超えることがありますが32℃以上にはしません。

 8月の歳月記に”栽培温度の適正な表記”とした題で、種の適温表示の必要性について取り上げました。今回Den. rindjanienseをネット検索していたところ、同じような問題が本種にもありました。その販売サイトで本種は珍品であること、管理についてはミズゴケと素焼き鉢の植え付け、一方乾燥気味な環境ではプラスチック鉢の使用が多いとのこと、風通しが良く湿度の高い環境を好むともあります。かん水を株全体に行うと害虫予防になるという不思議な新説??まであります。しかし最も重要な栽培温度については一切説明がありません。本種は夏季には冷房あるいは山上げを行わない限り日本の夏を乗り越えることは厳しく、中温からクールタイプとしての環境が用意できなければ新芽の発生や開花は困難です。仮に冬季から早春に新芽が出ても夏季には細菌性腐敗病で失うことになります。結局、落葉した古い茎だけのじり貧状態に陥ります。

 繰り返しますが管理方法を購入者に説明するのであれば、日本の環境下でその種がもつ栽培上の最も基本的な留意点(栽培適正温度など)を述べるべきで、実体は珍品・希少などの言葉が溢れています。市場流通が少ない品種であれば尚更、栽培情報は必要です。それが欠落していることは売り上げ至上主義か、栽培する以上、購入者自身が予めよく調べてから買うのが当然と言わんばかりで、時として販売者は果たして花を咲かせるまでの栽培実体験があるのかと首を傾げてしまう商品解説もあります。このような姿勢がランの販売サイトには余りに多過ぎます。

 ちなみに下段中央の後方に映っている縦長40cm - 60㎝の炭化コルク4列に取り付けられた株はCleisocentron sp Sabahで、これまでの幅広タイプ以上に幅広の種名不詳種です。この幅広のClctn. spの最適な栽培方法が未だ不明で、これを見つけ出すため温度、輝度、植え付け方法などで四苦八苦しています。1年半をかけて最近やっと新根がでるところまで来ました。画像の株は今回のマレーシアからの持ち帰りで背丈50㎝以上です。


Ascoglossum calopterum

  展示会場のような場所で良く目立つド派手な原種がないかと探していたところ、成長すると赤紫の2.5㎝程の花を総状花序で、1花茎当たり60から80輪程開花するフィリピン、ニューギニア、マラッカ諸島生息の1属1種Ascoglossum calopterumがあることを知り、これをマレーシアから10株入手しました。今回の株はニューギニア生息種で高温タイプです。入荷してから2週間程の仮植え期間中にもかかわらず頂芽が伸び、新根も現れ栽培は容易な種のように見受けられます。calo(美しい)、pterum(翼のある)を名前とし、多くのサイトでattractive speceisと言われながらも、なぜか国内のマーケット情報が乏しく10,000円以上が1件見られる程度です。本サイトでは4,500円の予定です。下写真が入荷株です。クリプトモス80%のスリット入りプラスチック鉢植えです。見栄えからするとバンダのような形態から1年後にはバスケット植えが良いと思います。


Ascoglossum calopterum

Coelogyne sp, rhabdobulbon, radioferens

  先月のマレーシア訪問にて入手したセロジネは6種で、Coel. odoardiはすでに掲載済みです。さらにCoel. rhabdobulbon、radioferensと3種のspとなります。下写真は上段左がボルネオ島800m - 2,000mに生息のCoel. rhabdobulbon、右が同じくボルネオ島SabahのCoel. spでリップが赤いフォームとされます。下段はCoel. radioferensでこちらもボルネオ島900 - 2,100m生息のクールタイプです。

Coel. rhabdobulbon Coel. sp (red-lip)
Coel. radioferens

Cymbidium elongatum, ensifolium, haematodes, lancifolium

  シンビジウムはこれまでほとんど取り扱っていませんでしたが、高地生息種の問い合わせがしばしばあり、ネットでのマーケット情報を検索するとヒマラヤから日本も含め東南アジア全域に広く分布しているものの標高が1,000mを超える種はあまり取り扱われていないようです。、先月のマレーシア訪問でボルネオ島からの4種を入手してきました。下写真右がクールタイプのCym elongatum、写真左は中温からクールタイプのCym. haematodes(手前の葉長の短い)とCym. ensifolium、(奥の葉長の長い濃緑色)です。Cym. lancifoliumは先月の歳月記に記載しました。


Bulbophyllum cornu-ovis

  Bulb. cornu-ovisをマレーシア訪問で8株入手しました。スマトラ島生息種で2011年登録の新種です。花の形状が独特で、ラテラルセパルがビッグホーン羊の角のように後ろに反り曲がっていることからcornu(ツノ)とovis(羊)と命名されています。本サイトの最初の入荷は2015年12月です。その後しばしばインドネシアラン園のリストに名前を見かけたものの入荷は2年半ぶりです。本種の栽培に有用な情報は今だに不明で、栽培に最も重要な生息域の標高が不明です。

 当初は中温と高温室に分けて栽培をしました。いずれも成長は遅いものの新芽を発生し、開花も見られたため全てを高温室に移動し栽培することにしました。その後、夏季には成長が止まることと、今年の猛暑では明らかに成長に異変が見られたことから本種は中温タイプと判断しました。2年間の栽培で、日中の温度は32℃以上であっても問題は無いものの夜間の温室内温度が25℃を超える日が続くとと成長が思わしくない様態が観測されたためです。よって夏季は山上げ相当種として扱うべきと思われます。標高800mから1,200m程の生息種と推測します。夜間温度が通年25℃以上のマレーシアラン園においても1年以上の維持は困難なようです。下写真左は今回の炭化コルクへの取り付け、右は本種の花で中温室にての栽培となります。3バルブ3,500円での販売です。

Bulb. cornu-ovis

浜松からの発送時期を迎えて

  今年の猛暑は厳しく、また長く続きましたがようやく日中気温が30℃を下回るようになりまた。最近はデンドロビウムだけでなくバルボフィルムも新しい品種は標高の高い地域に生息する種が増え、7月からこれまで宅配便による発送は控えていました。順化中の品種も多数あるものの、新芽や根が植付け後に発生している株も多く見られます。ようやく来週から、気温をチェックしながらの順次発送を開始することになりました。また浜松温室を訪問される方も多くなりそうです。入荷株の植え付けで大変ですが発送と訪問対応がしばらく続きます。

Bulbophyllum sp SulawesiiとBulbophyllum singaporeanum

 Bulb. sp Sulawesiiは8月の歳月記に取り上げたバルボフィラムです。またBulb. singaporeanumはマレー半島、ボルネオ島生息種で高温タイプです。これらの植付けが終わりました。前者はポット植えと炭化コルクで、後者は(30 - 60)㎝ x 8㎝の細長い炭化コルク付けです。Bulb. sp Sulawesiiは6,000円、Bulb. singaporeanumはバルブ数により2,500 - 4,000円を予定しています。


Bulb. sp Sulawesii

Bulb. singaporeanum

Phalaenopsis mariaeについて

 下写真はフィリピン生息種のPhal. mariaeです。左写真の左3株は7月フィリピン訪問にて入手した大株で、右の一般サイズに比べて3倍近い葉長を持ち最も長い葉で40㎝です。これまでの15年間、本種を千株以上現地で見てきましたが、これほどの大株は初めてです。50輪以上の開花を期待しています。

 再度Phal. mariaeを取り上げたのは、現在マーケットでの本種とされる画像が、Phal. bastianiiあるいはその交雑種である誤りが多いためです。E.A. Christenson著書Phalaenopsis a Monographでこれらについて3つの違いを述べています。Phal. bastianiiはセパル・ペタルはフラット、花茎は立ち性、リップ中央弁の繊毛は疎であるのに対し、Phal. mariaeはセパル・ペタルの縁が後方に反ること、花茎は下垂性、リップ繊毛は密であるとしています。

 ネットの画像を見ますと花茎が上に向かっている株が多く見られます。これらはPhal. bastianiiあるいはPhal. bastianiiPhal. mariae等との交雑種です。 本サイトではPhal. mariaePhal. bastianiiの違いを画像を用いてそれぞれ取り上げ、前記3点に加えセパル・ペタルの蝋質性と、リップ中央弁の竜骨突起の違いを指摘しています。また十分に成長した株では輪花数が全く異なりPhal. mariaeは多輪花で花茎当たり10輪以上が普通です。またPhal. mariaePhal. bastianiiと異なり植付けは下写真に示すような下垂が基本です。ポットの立ち植えでは、やがて頂芽が細菌性腐敗病(Bacterial crown rot)に十中八九罹ることになります。

 なぜこれほどミスラベルが多いかは、Phal. mariaePhal. bastianiiの人工交配が行われ、この交雑種が片親の名前、すなわちPhal. mariaeとしてマーケットに出され、これらがそのまま信じられているのではないかと、その狙いは花フォームは蝋質で光沢のあるPhal. bastianiiの花に似せる一方で、Phal. mariaeのような輪花数の多い品種の生産販売を目論んでいるためと推測しています。その品種は未だ実現出来ていないようですが。

Phal. mariae

Dendrobium igneoniveuminsigne

 先月のマレーシアにて、スマトラ島生息種のDen. igneoniveumを20株入手しました。本種は訪問毎に注文を出しており2回に1回は入荷できます。国内マーケットでは8,000円程の価格がネットで見られます。本サイトでは3,500円で販売しています。こちらもCoel. odoardi同様にラン展出品での完売種です。他のFormosa節同様に、栽培難易度は中レベルで季節によるかん水のメリハリをつけることが良いとされます。しかしこのかん水の程度とされる量はそれぞれの趣味家の栽培環境に依存するため絶対値のようなものが無く、これが難易度を高めている原因の一つです。

 また本種についてorchidspecies.comでは標高データがなく、栽培の適温が不明です。栽培経験では同じスマトラ島生息のDen. tobaenseと比較し高温タイプで、本サイトでは高温室にての栽培となっています。しかしこれまで栽培していた株の中で今年8月の猛暑が続いた時期、新芽が2株程で落ちており、これは夜間ですら温室内では28-30℃程になる日が続いたことがその原因と考えています。猛暑が予測される期間は中温室が好ましいようです。下写真上段は今回取り付けが終了したDen. igneoniveumです。こちらも根張りの形状から木に活着していた様態であるため炭化コルク付けとしました。

 写真で、炭化コルクにミズゴケで根や株元を抑えていますが、色が違うことが分かると思います。これはクリプトモスを配合したもので、今回この配合量を0%から90%と変えて同一環境でどのような成長変化があるかを調べることにしました。配合量の相違は保水性が異なることを意味しFormosae節の最適な条件を見つけるためです。

 一方、写真下段はニューギニアからのDen. insigneで、20株入手の内の5株です。Den. consanguineumDen. insigne albaは栽培しているもののDen. insineは初めての入荷です。国内マーケットでは3,000-4,000円程で販売されています。短命花であるため展示用には適さないのですが、年に4回程一斉開花します。本サイトでは2,500円の予定です。植付けは炭化コルクとスリットプラスチック鉢の2種類としましたが、根の形状からは写真のような垂直支持材が適しています。写真で前側の3株の基部に白い突起が見えますがこれは僅か2週間程の順化中に発生した新根の先端です。高温タイプで至って丈夫なようです。


Den. igneoniveum

Den. insigne

Phalaenopsis amboinensis

 Ambonおよびスラウエシ島に生息するPhal. amboinensisの花は白色をペースのセパル・ペタルに、赤茶色の棒状斑点が同心円状に並んでいます。10年ほど前まではこのフォームが一般種としてマーケットを占め、Phal. amboinensis yellowとされる黄色ペースは自然界では希少株であり高価でした。しかし実生化されて以来状況が反転し、現在は白ペースがむしろ入手難です。今日マーケットにあるほとんどのPhal. amboinensis yellowは実生です。画像検索でも黄色フォームが多く、白色と黄色の交配株も見られます。特に黄色フォームは最も早くから実生化やハイブリッド交配の対象とされた胡蝶蘭原種の一つです。

 昨年来、白色ベースを打診していたのですがようやく先月のマレーシア訪問にて入手できました。下写真はその一部です。白色フォームはセパル・ペタルの先端部に僅かに薄い緑色が入るものと全体が白色の2タイプあります。今回入手の株は後者と思われますが半年程開花を待って確認できると思います。

Phal. amboinensis common form

Phalaenopsis floresensisCoelogyne odoardi

 在庫が無くなっていたPhal. floresensisをマレーシアにて20株程入手しました。写真上段がそれらです。写真からは、大きさが揃っており実生のように見えるかも知れませんが、すべて野生栽培株です。最近あるサイトに、葉が左右水平に開いたPhal. schillerianaのポットへの立ち植え画像があり野生と書かれていました。Phalaenopsis節の野生株は下垂しており、台湾からの実生のような姿をした野生株はこれまで見たことがなく、はて?と思った次第です。実生か野生かの判断は2014年8月の胡蝶蘭原種サイトに取り上げましたが、少し整理して再度別ページに記載しました。

 下段はボルネオ島生息種のCoel. odoardiです。昨年8月の歳月記にも取り上げました。人気が高くラン展に毎回出品しますが2-3日で売り切れるセロジネの一つです。濃緑色の葉にオレンジレッド色の、数m先からも分かる良い香りがします。今回は大サイズを20株、中サイズを10株入手しました。大サイズには全て新芽が付いています。


Phal. flowresensis

Coel. odoardi

Phalaenopsis schillerianacorningiana

 今回のフィリピンとマレーシア訪問で胡蝶蘭原種を相当種入手しました。下写真のPhal. schillerianaPhal. corningianaはその内の2種です。Phal. schiillerinaは昨年春から入荷と販売を止めており今回の入荷は1年半ぶりとなります。AGITESTによる現地での検証を経てクリーンなPhal. schillerianaを得る新たなルートと現地での体制作りの準備に1年以上を要しました。下写真上段と右は2つの異なる生息域種で左は本日7日、右は5日の撮影です。両者を合わせて今回30株を入手しました。写真はその一部です。Longタイプは45㎝です。来年サンシャインラン展までに200株を入荷する計画です。

 一方、写真左下はPhal corningianaです。本種はボルネオ島原産で入手は難しくありません。しかし問題は、野生栽培株は多様な花フォームを持ち、販売する上で花写真を掲載する場合、同一株による花フォームの再現性はあるものの、果たしてそのフォームと同じフォームがそれぞれの株で出現する可能は全くありません。その意味で本種のサイトで15種のフォームを参考用として掲載しています。


Phal. schilleriana

Phal. schilleriana long leaf form

Phal. corningiana

フィリピン訪問

 マレーシアの帰国から僅か1週間後にフィリピンに出かけました。マレーシアへ出発する8月24日は朝便であり、台風20号の影響で新幹線の早朝の遅れを心配し、前日に成田に1泊、今度のフィリピン訪問では4日に成田までは帰国は出来たものの台風21号で新幹線が不通となり浜松には帰れず、こちらも成田のホテルに1泊せざるを得ず5日の帰宅となりました。また7月はパスポート残存期間問題でマレーシアに入国できずと、このところの海外訪問は散々です。しかしこうした、余り経験することが無いトラブルに出会うほど臨機応変な判断と行動が必要で、得るところもまた大きく良い勉強になります。

 こうした状況の中でも海外訪問による収穫はまずまずで、問題は膨大な株の植え付けを如何に早く終わらせるかです。仮植えとは言え、種にも寄りますが1か月程度が限度であり、これを超え始めると歩留まりとの戦いとなります。マレーシアから持ち帰った株はまだ2割程度しか植付けが終わっていません。本植えでなければ細菌性の病気になる可能性の高い順に優先順位をつけて処理するのですが、今回は綱渡りのような状況になりそうです。今月末までには何とか終了したいと考えており、取り付けが終わった株から順次公開していく予定です。ただ今回は直近の発見種が含まれ、サプライヤーからしばらくの間の未公開要請があり、これらは本サイトに会員登録した方、あるいは温室訪問の方のみへの公開となります。無論CITESおよび検疫ドキュメントは入手済みです。来年1月のサンシャインラン展には出品する予定です。

 通常植物検疫は、ラン園が検疫所に植物を持ち込み検査を受けPhytosanitary Certificate(植物検疫証明書)を得ます。当方は帰国前日に、これを箱詰めされた植物と共にホテルなどで受け取ります。過去10年間で延べ30回近くフィリピンを訪問してきましたが、検疫現場に興味があり今回初めてフィリピン農林水産省農産局の植物防疫所(Plant Protection Division Agriculture Production Bureau Ministory of Aguriculture, Forestry and Fisheries)に伺いました。農産局では門や建物のそれぞれに警備員が配置され物々しい感じです。当方は滞在中のPan-Pacific Hotelから、ラン園は農園のあるCavite地区からそれぞれ別々に向かったため、Hotelに近い防疫所に当方はすぐに着きましたが、ラン園はいつも通りのメトロマニラのひどい交通渋滞で1時間半も遅れての到着となりました。所内の壁のあちこちには組織図、検疫規定、業務図などが貼られており、ランが到着するまでの待ち時間が余りに長く退屈でしたので、これらをカメラで撮影してラン仲間に見せたいのだが良いか伺ったところ、一瞬困った顔をされましたが問題ないとのことで撮影しました。所内の撮影を要求する訪問者は珍しいのか、当方が何者か同伴のドライバーに聞いているようでした。タガログ語らしく詳細は分かりません。

 検疫は薬品散布場にランを運び消毒した後、30分程自然乾燥させてから種毎に10株程の単位で紙で包み、紙の表面に種名と個数を明記し、順次段ボール箱に詰めます。こうした梱包は当方があらかじめラン園に指示した方法であり、検査官の立会いのもとラン園のスタッフが行います。この方法は種それぞれにタグを付けなくても良いことと、種名と数量が梱包紙に書かれているため急いで持ち帰る場合に便利で、また成田での書類と実体との照合検査も敏速にでき、マレーシアでも同じように行います。検査が数百株ともなると梱包方法は極めて重要です。箱詰め作業が終わると段ボール箱にはテープが貼られ検疫責任者の封印(サイン)が行われます。メガネザル事件以前は、書類申請だけで立合い封印は無かったそうです。その後、日本円で3,000円ほどの検疫代金を支払い所定の証明書を受け取ります。薬品散布は検疫申請時には行う場合と行わない場合があるとのことです。今回はカメラを持った外国人である当方も立ち会ったためか、しっかりと処理をしていることを示す意味もあったのかも知れません。結局検査そのものは1時間程で済みましたが、3時間近くオフィスにいたせいか少なくとも3-4人とは親しい雰囲気となり、防疫所から去るときは検査官や事務官を含め皆笑顔で送ってくれました。成田もフィリピンも検査官と言えば、何かしら上から目線で愛想が悪いのでは思われがちですが礼儀正しく、こちらからの問いには皆親切に対応してくれます。



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